グッドカンパニーこそ
山口社長が経営トップに就任してから一貫して抱く経営ビジョンが『ビッグカンパニーよりもグッドカンパニーに』という想い。「顧客・従業員ともに満足度の高い企業であること、顧客の期待を上回るような品質・サービスを提供し、プラスの価値として感動してもらえることを目指したい。従業員に対しては、待遇のみならず個々人の希望、具体的には『こういう仕事がしたい。チャレンジがしたい』という想いに手を差し伸べ、自己実現のお手伝いをできるような会社にしたいと考えている。顧客・従業員双方の満足度が高まれば、必然的に増収増益体制の構築へとつながり、ひいては安定・持続的な企業経営、利益還元による社会貢献にもつながる」と強調する。
グッドカンパニーを目指す上では、経営者として三つのポリシーを大事にしている。
「働き方改革グロース企業」認定証
グループ企業一覧マップ
- 「働き方改革グロース企業」認定証
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一つ目が前述の顧客・従業員第一主義の徹底だ。経営者は従業員に、従業員は顧客を第一に考えた施策や行動に取り組んでいる。従業員の暮らし、家族を一番に考え、人材育成の強化、福利厚生の充実、多様な働き方プランの考案など経営側から従業員への歩み寄りを実践。こうした姿勢はSMBCグループが認定する「働き方改革のグロース企業」に5年連続選出される形で評価を受けている。
二つ目がベクトルの一致だ。京セラ創業者として有名な実業家の故・稲盛和夫氏が提唱する哲学・思想の一つに『個人や仕事における成功は、考え方と熱意と能力の三つの要素の掛け算で決まる』というものがある。「現在、東亜グラウト工業は11社というグループ企業の集合体となっている。個々の企業や従業員が優秀な存在であっても考え方や方向性が一致していないと大きなマイナスの結果をもたらすことにつながりかねない。まずはしっかりと全員のベクトルを合わせることが大事」とのことで、稲盛氏の哲学を経営の要諦に据えている。同社ではここ数年、橋梁・水道など従来の事業領域を越えた他のインフラ分野の企業との業務提携を活発に進めているが、まずは同社のスタンス、パーパスを説明し、同じ志(パーパス)を持てるか否かというベクトルを業務提携の際の最も重要な条件・判断基準としている。
そして三つ目が、失敗奨励文化の定着だ。優秀な人間にはとにかく機会を与え、意欲を育むが経営者としての信条。「失敗は当たり前。失敗しないと人は成長しない。一生懸命チャレンジしてその結果、失敗したらそれは仕方がない。失敗を糧にしてくれたらいい。そういう意味から、チャレンジ・失敗に関してはむしろそのチャレンジを称賛し、仮に失敗したとしてもそのプロセスを評価してあげるような文化を作り、根付かせていきたい。」と力強く語る。40~50代の中堅層社員を積極的に業務提携先の企業に送り込んでいるが、これもそうした考え方の一環。今までとは違う環境・人脈の中でチャレンジ精神を養う場を用意している。自身もこれまでの経歴の中で同じ立場でチャレンジを重ねてきた身であるからこそ、そうした姿勢を応援・評価する気持ちは人一倍強いように思える。