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株式会社フソウ

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地域が抱える課題に解を導く

~社会価値×経済価値×環境価値の提供~

 

フソウ代表取締役社長執行役員

フソウホールディングス代表取締役社長

角 尚宣氏

 

 2024年4月、FUSOグループの新たな中期経営計画がスタートした。「水の綜合企業」としての78年の歩みの中で、顧客ニーズに対応し、社会環境の変化に適応しながら、その事業領域を「水・住まい・エネルギー」へと広げてきた。

 FUSOグループが社会に提供できる価値を最大限に発揮していくため、未来を見据えて打ち出した中期経営計画の理念体系の最上段に置いた「FUTURE SOCIETYをつくっていく」に込められた想いを角尚宣社長に聞いた。


ビジョンとミッション

 今回の中期経営計画は、2021年度から9年間の長期ビジョン「FUSO VISION 2030」のうち、2024~2026年度の方針や目標、事業戦略などを定めたものです。その中で、グループの理念体系も再定義し、「FUTURE SOCIETYをつくっていく」というビジョンを掲げました。

 これに関連して、持株会社に当たるフソウホールディングスの社名も2024年7月に「FUSOグループホールディングス」に改める予定です。「フソウ」から「FUSOグループ」に変更し、「FU」TURE「SO」CIETYをつくっていく「グループ」という意味合いを持たせています。

 ビジョンの実現手段となるミッション(果たすべき使命)は、これまでと変わらず「Answers for Community 地域の数だけアンサーがある。」です。地域ごとの多様な課題の解決と、それを通じた貢献は、もはやアイデンティティといっても過言ではありません。水に軸足を置く以上、今後も「地域」というキーワードは不変です。

 こうしたビジョンとミッションは、一種の流行り言葉になっている「社会課題解決」に近いのかもしれません。では社会課題解決とは何かというと、私自身は「社会価値×経済価値×環境価値の提供」だと考えています。

 地域の人にも、経済にも、環境にも良いことに取り組んでいく。この三つの価値を並び立たせて初めて、社会課題解決が達成できると考えています。この考えは、さまざまな場面で意思決定を行う際の判断基準にもなっています。


エネルギー事業への挑戦

 FUSOグループは「水・住まい・エネルギー」という三つの事業領域を持っています。これまでのポートフォリオは売上の4分の3を占める水インフラ事業が中心だったのですが、今回の中期経営計画では、再生可能エネルギー事業を拡大事業に位置付け、集中的に投資していきます。3年後の目標売上高は現在の約4倍で、連結売上高に占める割合を3分の1程度まで増やす計画を立てています。

 それだけのポテンシャルをどこに見出しているかというと、世界的な脱炭素意識の高まりは当然のことながら、私たちは「発電所や蓄電所のEPCからO&M、電力のアグリゲーションから小売、自主電源の供給」とお客さまのニーズに合わせてワンストップでソリューションを提供することが可能です。また、再生可能エネルギーに特化して全てを内製化している企業もそうありません。さらに、発電所のEPCやO&Mのノウハウは太陽光・小水力・バイオマスと多岐にわたり、このバリエーションの多さも他社にない特徴だと自負しています。

 環境負荷の低減や電力費の高騰が目下の課題となっている今、地域の水を本気で考えるなら、地域のエネルギーにも本気で向き合わなくてはならない時代がきていると思います。


米国進出の狙い

 大きな成長を見込む事業としては、今年2月に現地法人を設立したアメリカでのビジネスも挙げられます。拠点はテキサス州ヒューストンに置きました。州人口は過去10年で400万人ほど増え、現時点で約3000万人、2050年には5000万人に達するとも言われています。もちろん州内最大の都市であるヒューストンでも人口増が見込まれています。

 戦略としては、まずは水インフラ事業から風穴を開けるべく、日本のメーカーと連携して技術ありきのソリューション営業を展開していきます。同時に、現地のゼネコンや工事会社との資本を含めた提携も積極的に進めます。

 次に、再生可能エネルギー事業の展開として小水力発電プロジェクトに挑戦する計画です。水資源が豊富なアメリカ北部では水力発電が盛んなのですが、テキサス州では石油と天然ガスが産出されることもあり、現状のメインは火力発電です。しかし、昨今の再生可能エネルギー需要の高まりや全米第2の工業地帯であることを考えると、工業用水道の未利用エネルギーに大きなポテンシャルがあると考えています。


コア事業は国内の水インフラ事業

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 再生可能エネルギー事業や海外事業への投資を強化する一方で、国内での水インフラ事業がコア事業であることに変わりはありません。ここでは、創業から78年という時間をかけて蓄積してきた「エンジニアリング力」のさらなる充実と「リレーション力」の強化を基本方針としています。

 ここで言うリレーション力とは、これまでに全国各地で築き上げてきた「地元」との信頼関係です。事業体・コンサルタント・工事会社・商社・メーカーといった地域の水インフラ事業に関わる「地元」の関係者と全方位的にコミュニケーションがとれることは私たちの強みです。

 さらに、エンジニアリング力として「施設」と「管路」の両方のノウハウを持ち合わせていることも私たちの特徴であり、強みでもあります。これらの強みを融合させ、「地元」の想いをしっかりとカタチにする最適なソリューション提案を展開してまいります。


アセットマネジメントとデジタル技術

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 強みの融合はアセットマネジメントにもつながります。アセットマネジメントは、今回の中期経営計画では育成事業に位置付けています。

 成長のカギとなるのは、デジタル技術です。3Dモデリング技術は一つのソリューションとして確立できており、そこに施設台帳や運転・維持管理データ、天候などの周辺情報も取り込んでいけるよう拡張していきます。

 最終的には仮想空間に再現した水インフラシステム、いわゆるデジタルツインを構築し、AIシミュレーションによる運転予測や更新計画の検討を可能にするアセットマネジメントシステムを提供してまいります。


管路更新率に向き合う

 同時に、O&MやDB・DBOの取組みも拡大していきます。特に管路DBに関しては、技術者の育成を含めた体制づくりや案件を通じたノウハウの蓄積に積極的に取り組みます。「ヒト・モノ・カネ」という経営資源が思うように集まらない地域が増えている中で、いかに管路更新率を上げていくか。

 非常に難しい事業環境であることに間違いありませんが、私たちが持つノウハウ、機動性や柔軟性、意思決定スピードは必ず役に立つと思います。そして、その先のウォーターPPPにおいても一層の優位性を発揮することができると思います。


歴史を創造し、変革していく

 手を広げるような話ばかりしていますが、FUSOグループだけでできることは限られていて、何もできないと言ってもいいくらいです。だからこそ、これからは協業がとても重要だと考えています。「FUTURE SOCIETYをつくっていく」というビジョンを基準に、積極的に協業に取り組んでいく方針です。

 2024年3月期のグループ連結売上高は802億円でしたが、今回の中期経営計画では最終年度の2026年度に1200億円、ビジョン最終年度の2029年度に1500億円という高い目標を掲げました。

 この目標は、設定した数字を単に追い求めることを目的としているわけではなく、「それだけの社会的価値のある会社にしていこう」というメッセージです。会社の規模は社会が決めるものですから、私たちは社会にとって価値ある製品・サービスを提供することに集中するだけです。

 創業者が残した言葉に「理想のないところに新しい歴史の創造はない。夢見ることを忘れた人間に現状を変革する力はない。」というものがあります。夢とか理想とか、ともすると青臭い精神論と思われるかもしれませんが、不透明感が増しているこの時代だからこそ、夢や理想といった未来に対する熱い想いを持ち、その実現に向けて懸命に挑戦していくことがとても大切なことだと思うのです。

 「FUTURE SOCIETYをつくっていく」というグループビジョンには、創業者から受け継ぐこの挑戦者精神の想いが込められています。

 FUSOグループは、地域の社会課題解決を通じて、子どもたちが大人になるのが楽しみだと思える未来をつくっていきます。

FUSOグループ ポテンシャル篇

記者の視点

 今年度から新たな中期経営計画がスタートした。2021年度からの長期ビジョン「FUSO VISION 2030」を軸に、事業戦略や具体的な目標を3年単位で取り組むアクションプランだ。

 本計画は第二期目に当たり、例えるならば、ホップ・ステップ・ジャンプの「ステップ」を目指す3年間だ。

 執行体制も水の綜合企業にふさわしい組織に改編を行った。具体的には、管路と施設の一体型提案を推し進めていくべく、環境事業部や建設事業部、ソリューションデザイン事業部といった事業別組織から、水インフラ事業部、グローバルマーケティング事業部といった機能別組織へ改組。また、同社のコア事業である国内の水ビジネスについては、水インフラ事業部に集約した。プラントインフラ本部やパイプインフラ本部、PPP本部など専門組織を紐づけするとともに、これらの機能を融合させて社会課題の解決へ先鞭をつける。

 同社は、上下水道分野の施設と管路の両輪を専門的に手掛ける唯一の企業であり、地域実情に配慮した柔軟性や、豊富な施工技術者を有する現場力といった持続可能な社会に求められる経営資源を多く有している。ここ10数年ブランディング強化を図ってきたことで着実に企業ブランドは向上してきているものの、これら価値の高い経営資源を十分発揮しているとは言い難い。

 日本の水インフラをけん引していくという高い志と自社の強みを理解して行動に移していけば、十分成し遂げられよう。今年度から3年間は「ステップ」の時であり、3年後には創業80周年を迎える。そして、2024年7月には持株会社に当たるフソウホールディングスから「FUSOグループホールディングス」に改める。まさに「ステップ」へ階段を駆け上がる時、時代を先導する同社の取組みに期待が膨らむ。

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Profile

「水」処理施設を一貫して請け負う総合力

1946年の創業以来、「水と共に生きる」という企業メッセージのもと、上下水道に関する資機材の製造・販売、施設の設計・施工・メンテナンス・運転管理に取り組み、上下水道整備を通じて、地域社会の発展に貢献してきました。

「水」に関わるあらゆる事業を手掛けてきた経験と実績から、水処理施設を一貫して請け負う総合力が当社ならではの強みとなっています。

 貴重な水資源を未来につなげるために 

自然や環境に配慮した建設施工、革新的な水処理技術の研究開発、耐震性に優れた鋼管製造の加工技術などを通して、安心・安全な水利用を約束することが当社の使命です。人々の暮らしがより豊かに快適になるよう、常にあらゆる分野・角度から水を見つめ直し、限りある水資源を未来へとつなげるために努力をしています。

【事業内容】

建設部門・・・ 上下水道などの水インフラの設計、調達、施工機能を有する。その他、小水力・バイオマス発電等の再生可能エネルギー、ICT等にも取り組む。

環境部門・・・ 水インフラに使用される配管・弁・機材等を調達する商社機能を有する。資材選定、配管プラン等の提案も実施。

製造部門・・・ 異形鋼管の国内最大級の製作能力(最大口径5,000mm、最大重量30ton)工場を有する。

O&M部門・・・ 水インフラの設計、施工経験に基づいた維持・運転管理、修繕サービスを提供。

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Information

フソウグループ紹介動画 「Answers for Community 地域の数だけアンサーがある。」