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株式会社NJS

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水と環境のオペレーションカンパニーを目指して

時代に即したソリューションを創造

 NJSは1951年、戦後復興のための上下水道技術者育成を目的として、わが国最初の上下水道コンサルタントとして産声を上げた。

社会課題の多様化とNJSの事業拡大

 1960年代の高度経済成長期、1970年代の公害対策から始まった水質保全等、2000年代に入るまで水インフラ整備のニーズ拡大に対応して、同社の事業も拡大を続けた。

 21世紀に入ると上下水道の普及が進む一方、建設の時代から維持管理の時代へと変換したことに伴い、地震・浸水等の災害対策、財政逼迫、施設の老朽化など、水インフラを取り巻く課題が多様化。こうした変化の中において、同社はビジネス領域を拡大し、ニーズに対応することで成長を続けてきた。

 現在では、上下水道分野のトップコンサルタントとして活躍するほか、ウォーターPPPなどの事業運営をキーワードとしてトレンドに対応したサービスの創出に取り組んでいる。


ライフラインの持続性を確保

 同社は現在、水と環境のコンサルティングとソフトウェアのサービスをベースに、国内外のコンサルティング、ソフトウェア、インスペクション、オペレーション、グローバルの事業を展開している。

 主要な事業分野は上下水道。日本の上下水道事業は、市町村が主体となって整備・運営されることが多く、現在の水道普及率は約98%、下水道処理人口普及率は81.0%となっている。

 上下水道の特長は、生活に欠かせないサービスであり、絶対になくならないこと、そして、社会ニーズに合わせて変化していくことである。水の使い方はライフスタイルによって変化するものであり、気候変動が進めば、豪雨対策が必須となる。このため、事業の持続性と変化への対応が重要といえる。

 ●コンサルティング:豊富な経験とノウハウ

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  • 事業課題に最適なソリューションを提供
  • 脱炭素化提案(消化ガス実証施設)

 コンサルティングでは、全国の上下水道事業体における調査や計画、設計、監理、経営改善などの業務を実施。同社の強みは、充実した技術者が全国に配置されており、経験やノウハウを豊富に蓄積している点である。

 そして、水と環境に関する事業課題の中でも、施設の老朽化対策、大雨等の災害対策、人口減少社会への対応、脱炭素社会の構築に焦点を絞り、これらに対応した新たなソリューションの創出に取り組んでいるところだ。

 施設の老朽化については、ソフトウェアサービスやインスペクションサービスを活用した効率的なアセットマネジメントの運用と高度化を推進。災害対策では、浸水想定区域図作成やハザードマップ等のソフト軸、施設耐震化・耐水化コンサルティングや施設整備計画等のハード軸に加え、グリーンインフラの提案や災害情報の発信などコミュニティ連携をもう一つの軸に設定し、地域全体での災害強靱化を進めている。

 人口減少社会への対応については、広域化・共同化・PPP事業の推進等により、事業の効率化と経営の改善に関する提案を実施。脱炭素社会の構築においては、上下水道施設を活用したエネルギー開発に向けた提案や、下水汚泥の肥料化検討等、地域の資源・エネルギー循環の構築を推進している。

 国内における実績は浄水場で約300カ所、下水処理場で約600カ所に上る。ソリューション型ビジネスの創出により、技術と経験に根差しつつ、コンサルタントの枠にとらわれない新たなサービスの創出を目指している。

 ●ソフトウェア:インフラDXを推進

 同社のソフトウェアは、インフラの管理を中心に運転管理支援から雨水対策まで、経営面では料金徴収、財務会計、資産管理まで上下水道のほぼ全分野をカバーをする。

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  • NJSのDXサービス
  • 3Dモデルによる設備台帳

 クラウドサービス「SkyScraper」は、全12のアプリケーションが一つのプラットフォームで利用可能。また、施設内の設備台帳、管路台帳等の施設情報データベースを起点として、AIやIoT等の最新技術を活用した効率的なサービスを利用できる。

 SkyScraperCVは、点検調査の画像を解析し、ひびやキズ、腐食、浸入水等の異常を自動検知できる。また、SkyScraperMLは機械学習により、施設の最適な運転を提案。機器の振動解析による劣化状況のモニタリングや、水位センサーによる浸水予測サービスなど、幅広い機能をパッケージ化した。

 現在のユーザ都市数は、260都市となっている。

 ●インスペクション:オンリーワンの技術

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  • 下水道管内を飛行するドローン
  • 海外でも活躍するドローン(シンガポール)

 同社では、インスペクションとして、インフラの点検調査サービスやツールの販売を実施。とりわけ下水道管内のような狭い空間で飛行し、点検するドローンの開発に成功しており、作業の効率化や安全確保、精度向上も実現している。直径40cmの下水管を飛行できるドローンは世界で同社だけであり、オンリーワンの技術である。

 また、昨年より、水上走行ドローンと水中ドローンを開発し、展開。水上走行ドローンは、ドローンにフロートを付けたものであり、風の力で水面上を走行し、流水や障害物があるところでも点検が可能だ。水中ドローンは、水路や水槽構造物の調査に特化して開発したもので、水中だけでなく、カメラを水上に出し、天井スラブも点検できる点が特長である。

 これらのドローンは、使用中の水がある、水が流れている施設でも調査できるため、上下水道だけでなく、農業、道路、電力など多くの分野でそのニーズが高まっている。


 ●オペレーション:上下水道運営会社

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  • 地域に根差した運営サービス
  • 360度カメラを用いた管路点検(須崎市)

 オペレーションでは、幅広い運営支援サービスを展開。料金徴収業務、会計処理業務、工務窓口のほか、施設の点検、データ管理、システムの構築・運用・保守など顧客のニーズに対応したサービスを提供している。

 2023年5月、政府は「令和以5年度PPPアクションプラン」を決定し、上下水道の分野で管理と更新を一体として、民間事業者が運営する「ウォーターPPP」の積極的な導入を図る方針を公表した。

 一方、同社では、すでに国内唯一の管路施設に運営権を設定したコンセッション事業を高知県須崎市で実施。また、6カ所で維持管理の包括的民間委託事業を展開している。

 須崎市コンセッション事業は、過疎化が進み、下水道事業の適切な運営が困難になりつつある状況に対し、漁業集落排水や廃棄物リサイクル施設と共同運営することで、事業の効率化を図るものである。ドローンによる管路点検や小規模事業者向けの下水処理方法を導入するなど、PPPの利点を生かし、民間の新しい技術を積極的に採用している。

 ウォーターPPPでは、管路施設を業務の対象施設として検討することが条件とされており、同社ではこれらの経験を生かし、事業運営会社(オペレーションカンパニー)への転換を目指しているところだ。

 ●グローバル:世界の水と環境の課題を解決

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  • バングラデシュの水道整備
  • インドで活躍する現地若手エンジニア

 グローバルでは、1970年代より日本のODA(政府開発援助)プロジェクトに多数参加し、発展途上国や新興国の上下水道整備に携わると同時に、日本の高い水準の技術を現地に移転することに努めてきた。現在では、これらの国々で自国資金による上下水道の運営が軌道に乗り始め、ODA以外の業務にも対応している。

 特に現在、中国を抜いて人口世界1位の大国となったインドでは、NJSのエンジニアがスピンアウトして、現地法人として上下水道コンサルティング事業を展開。在籍する技術者は600名を超え、現地スタッフは世界的な学会でも発表するほど技術力をつけている。

 また、ソフトウェアやドローン等の先進的な技術は、先進国の上下水道事業体からも注目を集めており、その海外進出も進めている。

 途上国では水源の確保や水道へのアクセス拡大、新興国では24時間給水の安定化や無収水対策、先進国ではアセットマネジメントや温暖化対策等、国や地域により上下水道事業のニーズは異なる。同社は、これらさまざまなニーズに対応したサービスを提供し続けることで、世界各国でオーダーメイドに課題を解決していく。


リーディングカンパニーを目指して

 社会のサステナビリティ(持続可能性)やレジリエンス(強靱性)が問われる時代となり、水と環境の重要性、水と環境を支えるインフラの重要性がますます高まっている。健全な水と環境を次世代まで引き継ぐためには、これまで以上に、知恵と技術を結集していくことが求められる。

 NJSのパーパスは、「健全な水と環境を次世代に引き継ぐ」。このパーパスの下、同社は健全な水と環境を次世代まで引き継ぐためのリーディングカンパニーを目指し続ける。


記者の視点

 創業以来、赤字決算と有利子負債なしで、安定した経営を展開してきたNJS。強固な財務基盤を背景に、水と環境を取り巻く社会課題の解決に向けたソリューションビジネスとオペレーションビジネスで、健全な水環境の創造に貢献してきた。

 同社はいまや、図面を引く設計会社から社会課題を解決するオペレーションカンパニーへ変貌を遂げつつある。DXの推進や、老朽化施設の点検ソリューションとしてドローンの開発、政府が掲げたウォーターPPPに先駆けてコンセッション事業を手掛けるなど、社会課題の解決に必要とあらば、業容・業態の既成概念にこだわらず、ビジネス領域の強化と拡大へ果敢に挑戦している。

 先日、同社が発表した成長戦略においては、コンサルティング・オペレーション・ソフトウエア・グローバル・インスペクションを掲げたセグメントで、いずれも「強化」「拡大」「開拓」への挑戦が示されている。わが国最古の上下水道コンサルタントが描く水と環境の未来はいかなるものか――。その挑戦に注目していきたい。

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