DO-Jet工法の三つの機能
【前方探査】加速度センサーによる音響機能を装備。支障物に探査材を噴射し、反射音をスペクトルモーメント、振幅平均値等で解析。支障物の位置と材質、形状、範囲などを正確に判定して切断計画図作成まで行う。
前方探査状況
超高圧地盤改良による地盤改良体
地盤改良体の確認状況
(上)切断材噴射状況、(下2枚)切断材固化状況
- 前方探査状況
- 超高圧地盤改良による地盤改良体
- 地盤改良体の確認状況
- (上)切断材噴射状況、(下2枚)切断材固化状況
【超高圧地盤改良】重要構造物の防護や周辺地盤の安定などのため、セメントミルクと珪酸ナトリウム溶液を混合した地盤改良材を噴射。地中内において掘進機外径の外側および掘進機前方に地盤改良材を噴射し、地中支障物の裏側まで固め、安全かつ確実に地盤を改良する。
【切断・除去】ポリマーに研磨材を添加したアブレシブスラリーと珪酸ナトリウム溶液を混合した切断材Max245MPaで噴射。カッターの回転およびノズルスライド機構によりH型鋼、鋼矢板等の支障物を切断。細断した支障物は掘削機内で回収する。
一般的な推進・シールド工事において、地上から重要構造物の防護改良ができない場合、地上より立坑を設置して、水平注入での防護改良を行っていた。また、地中に支障物が発見された場合も支障物を除去する際、地上からの立坑設置が必要であった。さらには、薬液注入等により地下水の止水や地盤改良を行い、地中内で作業員が支障物を除去するケースがほとんどであった。しかし、これらの対応は、長期の交通渋滞を発生させ、大幅な工事遅延、工事費の増加を招くとともに、劣悪な地中環境の中で支障物の撤去等を行う、危険と隣り合わせの作業環境であった。
これに対しDO-Jet工法は、ルート上の支障物を切断・除去しながらの掘削を可能とすることから、従来工法より大幅な工期短縮を図り、また、立坑設置や地上からの地盤改良の必要がないため、安全な作業環境を確保し、交通渋滞を回避。加えて、支障物除去に伴う費用も削減できるため、大きな社会貢献につながる。