令和6年4月に厚生労働省の所管する水道整備・管理行政が国土交通省・環境省へ移管されました。水道については、水道事業の経営基盤強化、老朽化や耐震化への対応、災害発生時における早急な復旧支援、渇水への対応等の課題があります。これらの問題に対し、施設整備や下水道運営、災害対応に関する能力・知見や、層の厚い地方組織を有する国土交通省が所掌することで、そのパフォーマンスの一層の向上を図ることが期待されています。
令和8年度 上下水道関係予算概算要求の概要
基本方針
埼玉県八潮市で発生した下水道等に起因する道路陥没事故や人口減少の進行等を踏まえ、「強靭で持続可能な上下水道システムの構築」に向けて、以下の取組を上下水道一体で推進
・ 下水道等に起因する大規模な道路陥没事故を踏まえた上下水道の老朽化対策
・ 持続可能な上下水道の実現に向けた基盤強化
新規事項要求概要
令和7年1月に埼玉県八潮市で発生した下水道管路の破損に起因すると考えられる道路陥没事故を踏まえ、同種・類似の事故の発生を未然に防ぐため、事故発生時に社会的影響が大きい上下水道管路の更新とリダンダンシーの確保を推進すべく、支援対象施設・自治体を拡大。
ピックアップ事項
(1)事故発生時に社会的影響が大きい上下水道管路の更新[個別補助事業の創設、交付金事業の拡充]大口径管路や緊急輸送道路・重要物流道路下の管路など、事故発生時に社会的影響が大きい水道・下水道管路の更新を重点的に支援
(2)事故発生時に社会的影響が大きい上下水道管路のリダンダンシー確保[個別補助事業の創設、交付金事業の創設]
事故発生時に社会的影響が大きい上下水道管路のうち、修繕・改築や災害・事故時の迅速な対応が容易ではない管路のリダンダンシー確保を重点的に支援
令和7年度 上下水道関係予算の概要
基本方針
能登半島地震の被害や人口減少等を踏まえ「強靭で持続可能な上下水道システムの構築」に向けて以下の取組を上下水道一体で推進
・上下水道施設の耐震化と災害時の代替性・多重性の確保
・最適で持続可能な上下水道への再構築
(1)上下水道施設の耐震化
1 水道について、資本単価要件に加え、耐震化の取組を加速する自治体を支援対象に追加
2 取水施設、浄水場、配水池、重要施設に接続する配水支管の耐震化事業の補助率を引き上げ1/4→1/3
3 急所である導水管・送水管の耐震化について、布設後の経過年数にかかわらず支援対象に追加
4 上下水道システムの「急所」の耐震化を個別補助化
(2)災害時の代替性・多重性の確保
1 水道基幹施設耐震化事業の創設 <水道施設整備費補助>
2 下水道基幹施設耐震化事業の創設 <下水道防災事業費補助>
4 水道総合地震対策事業の拡充 【R6補正で創設】 <防災・安全交付金>
3 水道広域的災害対応支援事業の創設 <水道施設整備費補助>
5 下水道総合地震対策事業の拡充(地域要件の撤廃等) <社会資本整備総合交付金、防災・安全交付金>